Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
田代 孝二*; 塙坂 真*; 山元 博子*; Wasanasuk, K.*; Jayaratri, P.*; 吉澤 功徳*; 田中 伊知朗*; 新村 信雄*; 日下 勝弘*; 細谷 孝明*; et al.
高分子論文集, 71(11), p.508 - 526, 2014/11
被引用回数:6 パーセンタイル:22.37(Polymer Science)高分子結晶構造の詳細を、水素原子位置まで含めて明らかにすることを目的とし、高エネルギーX線および中性子回折データの収集ならびにそれらの解析結果を、さまざまの結晶性高分子を例として総合的に記述した。まず、最近にまで至る高分子構造解析手法の発展について概要を述べるとともに、それらの各段階における問題点について考察した。斜方晶型ポリエチレン、アタクティックポリビニルアルコール、ポリ乳酸およびそのステレオコンプレックスなど、いろいろの意味で重要な高分子について、これまでに提案されてきた構造を再吟味するとともに、新たに提案した構造について記述した。水素原子位置についても精確に決定された場合は、それらの構造情報に基づく極限力学物性の定量的予測を行った。さらにはポリジアセチレンの場合について、X線および中性子構造解析によって得られた精密な電子密度分布および原子位置座標の情報にいわゆるX-N法を適用し、主鎖骨格に沿った結合電子密度分布についての導出についても言及した。構造物性相関解明における高分子結晶構造解析の今後の展開についても言及した。
澤田 真一; 八巻 徹也; 小沢 拓*; 鈴木 晶大*; 寺井 隆幸*; 前川 康成
高分子論文集, 67(3), p.224 - 227, 2010/03
被引用回数:10 パーセンタイル:31.95(Polymer Science)燃料電池電解質膜の高度化を図るため、膜内構造に関する基礎的知見を得ることは極めて重要である。そこで本研究では、散逸粒子動力学シミュレーション(DPD)法を用いて、架橋ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)を基材とする電解質膜の構造を予測した。はじめに分子構造に基づき、-(CF)-, -CH(CH(CHSOH))-を、それぞれ粒子A, Bと見なし、これら粒子を用いてモデル分子を構築した。モデル分子と適当量の水粒子W(7HOに相当)を含む系を作成し、DPD法によって系の時間発展を計算した。平衡状態において、スチレンスルホン酸グラフト鎖(粒子B)と水(粒子W)は混合し、PTFE領域(粒子A)から相分離することがわかった。グラフト鎖-水の混合相の構造を詳細に調べるため、粒子W-W間の動径分布関数を求めた。その結果、直径1.8nmという非常に小さい水クラスターが存在することが明らかとなった(Nafion膜における水クラスターは直径45nm程度)。このように特異的な水クラスター構造が、架橋PTFE電解質膜の高プロトン伝導性や水透過抑制能の起源であると考えられる。
三島 聡子*; 浅野 雅春; 吉田 勝
高分子論文集, 66(7), p.250 - 258, 2009/07
被引用回数:1 パーセンタイル:4.07(Polymer Science)放射線架橋を利用し、多孔性ポリスチレン粒子(PSD)にペクチン及びトリアリルイソシアヌレート(TAIC)を固定した。放射線はCoからの線を用い、2.525kGyの範囲で照射し、PSDに吸着したTAIC及びペクチンを架橋重合させた。ペクチン及びTAIC固定化PSDの殺菌剤のひとつであるメチル-2-ベンツイミダゾールカルバメート(MBC)に対する吸着性能を評価した。固定化によるMBCの吸着性能の向上については、低pHでは、TAICの効果が大きく、高pHでは、ペクチンの効果が大きかった。ペクチン及びTAIC固定化PSDのMBC吸着量はペクチン及びTAICを固定化しなかったPSDに比べて1.33.9倍(pH311領域)になった。また、ペクチン及びTAIC固定化PSDは、10回の吸着・脱離実験後においても吸着能力は持続した。pHにより親水性と疎水性の特性を持つペクチン及びTAICを線により導入したペクチン及びTAIC固定化PSDは、広範囲のpH領域においてMBCの高い吸着性を持ち、従来の分析で必要だったpH調整の処理を省いてMBCを抽出できることがわかった。
八巻 徹也; Rohani, R.*; 越川 博; 高橋 周一; 長谷川 伸; 浅野 雅春; Voss, K.-O.*; Neumann, R.*; 前川 康成
高分子論文集, 65(3), p.273 - 276, 2008/03
被引用回数:3 パーセンタイル:10.77(Polymer Science)ナノ構造制御電解質膜に関する研究の一環として、ポリフッ化ビニリデンのイオン穿孔形成に対し、照射イオン種とエッチング前処理の効果を調べた。イオン照射PVDF膜を-84, 25, 120Cの異なる温度で空気中に保持した後、80C, 9MのKOH水溶液で化学エッチングした。コンダクトメトリー法を用いた検討の結果、高温で30日,90日間加熱することにより、未照射部(バルク)のエッチングに影響を与えずにトラックエッチング速度を高められることが示された。同様の効果は高LETのGeV級イオンビームを照射したときにも確認され、両手法によりエッチング感度の向上が可能であった。
三島 聡子*; 浅野 雅春; 吉田 勝
高分子論文集, 63(12), p.805 - 807, 2006/12
被引用回数:1 パーセンタイル:3.17(Polymer Science)放射線架橋を利用し、多孔性ポリスチレン粒子(PSD)にフミン酸(HA)を固定した。放射線はCoからの線を用い、2.530kGyの範囲で照射した。HA固定化PSDのメチル-2-ベンツイミダゾールカルバメート(MBC)に対する吸着性能を評価した。HA固定化PSDのMBC吸着量はHAを固定化しなかったPSDに比べて1.42.7倍(pH311領域)になった。また、HA固定化PSDは、10回の吸着・脱離実験後においても吸着能力は持続した。親水性と疎水性の特性を持つHAを線により導入したHA固定化PSDは、広範囲のpH領域においてMBCの高い吸着性を持ち、従来の分析で必要だったpH調整の処理を省いてMBCを抽出できることがわかった。
澤田 真一; 八巻 徹也; 浅野 雅春; 吉田 勝
高分子論文集, 63(3), p.149 - 159, 2006/03
被引用回数:3 パーセンタイル:10.12(Polymer Science)ポリテトラフルオロエチレン膜に高温照射で架橋構造を付与し、スチレンを前照射後にグラフト重合して得た電解質膜は、Nafionと比べて2倍のプロトン伝導性と5倍のメタノール透過抑制能を示すことがわかった。次にこの電解質膜では十分でなかった耐酸化性を改善するとともに、メタノール透過抑制能をさらに向上させるため、疎水性基が置換したスチレン誘導体とグラフト鎖間を架橋させる働きを担う多官能性分子とをエチレン・テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)膜にグラフト共重合した後、室温下で放射線架橋させて電解質膜を合成した。得られた膜は従来のスチレングラフト電解質膜の6倍の耐酸化性と、Nafionの10倍のメタノール透過抑制能を示した。
宇田川 昂; 瀬口 忠男
高分子論文集, 56(1), p.41 - 44, 1999/01
被引用回数:0 パーセンタイル:0.01(Polymer Science)線照射した低密度ポリエチレンシートの酸化層の厚さを走査型超音波顕微鏡を用いて観察し、画像化した。シート断面の超音波画像は、線量率が低下するにつれてポリエチレンの表面からの酸化層が増大することを明瞭に映し出した。その値は理論値に一致しており、10kGy/hの線量率では0.11mmであった。
岡田 淳*; 一ノ瀬 暢之; 河西 俊一
高分子論文集, 52(1), p.66 - 68, 1995/01
被引用回数:3 パーセンタイル:25.14(Polymer Science)テトラフルオロエチレン-パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)を希アンモニア水溶液と接触させエキシマレーザー光を照射することにより、表面に高い親水性が付与できた。この場合、ArF光の方がKrF光よりも有効であった。水との接触角は、未照射の106度からArF光の203Jcmの照射により31度まで低下した。X線光電子分光法(XPS)による表面元素比の測定から、PFA表面では光化学反応によりフッ素の脱離と、酸素及び窒素の導入が起こっており、接触角の低下とよい相関を示すことがわかった。表面反応層の深さはおよそ1.5~7.0nmと見積られ、走査型電子顕微鏡(SEM)観察からは、表面の形態変化を伴わない改質方法であることがわかった。
宇田川 昂
高分子論文集, 49(6), p.551 - 553, 1992/06
被引用回数:2 パーセンタイル:21.32(Polymer Science)繊維強化プラスチックの放射線劣化に及ぼす繊維の影響を2MVの電子線を用いて調べた。耐放射線性は、母材にビスフェノールA系エポキシを用いた積層板の三点曲げ強度から評価した。カーボン繊維積層板はガラス繊維積層板より、かなり高い耐放射線性を示した。カーボン繊維とガラス繊維充填材の間にある違いを調べるため、母材としてポリエチレンを用いてモデル化した積層板の吸収線量とゲル分率の関係を調べた。ゲルの生成はカーボン繊維を充填した場合に著しく遅かった。この結果から、カーボン繊維には母材樹脂に対する放射線保護作用があり、これが炭素繊維強化プラスチックに高い耐放射線性を与える主な原因となっていることが分った。
細井 文雄; 斎藤 健司*; 幕内 恵三; 小石 真純*
高分子論文集, 44(12), p.885 - 891, 1987/12
被引用回数:1 パーセンタイル:10.36(Polymer Science)セルロースを主成分とする多孔性微粒子にあらかじめ線を照射した後、サリチル酸存在下でMMA、MMA-MAc、MMA-Stなどのビニルモノマーをグラフト重合し、徐放性微粒子を調製した。同様に、サリチル酸非存在下でグラフトした微粒子は、含浸法でサリチル酸を吸着させ徐放性微粒子とした。グラフト微粒子の薬物吸着量はグラフト率のn次に比例して増加した。また、吸着は Langmuir の機構に従った。飽和吸着量はグラフト率にn次に比例した。これらの結果から、粒子内にグラフト率のn次に比例して吸着サイトが生成し、これに薬物分子が捕獲され徐放性微粒子となることがわかった。MAcやStを添加すると吸着サイトの生成数、吸着サイト間の相互作用の大きさ、吸着サイトと薬物の相互作用の大きさが変わり、吸着量が増大することがわかった。グラフトポリマーの構造を変えると効率良く薬物が吸着できることを理論的に明らかにした。
宇田川 昂; 貴家 恒男; 伊藤 洋; 萩原 幸
高分子論文集, 44(8), p.631 - 639, 1987/00
被引用回数:0 パーセンタイル:0.02(Polymer Science)2MeVの電子線を用い、室温にて炭素繊維強化エポキシ樹脂複合材を照射したのち、180Cまでの種々の温度で空気中で2時間アニーリングした。
岡田 紀夫*; 浅野 努*; 畑田 元義; 竹崎 淳一; 越智 光一*
高分子論文集, 44(10), p.761 - 770, 1987/00
被引用回数:1 パーセンタイル:10.36(Polymer Science)ビスフェノールA型エポキシオリゴマーの電子線硬化を、オニウム塩を開始剤として行った。硬化反応に及ぼすオニウム塩の種類、濃度、オリゴマーの分子の影響が検討された。
浅野 雅春; 吉田 勝; 嘉悦 勲; 森田 泰司*; 福崎 裕延*; 浅地 久子*; 真下 透*; 山中 英寿*
高分子論文集, 44(12), p.897 - 903, 1987/00
被引用回数:10 パーセンタイル:51.69(Polymer Science)-78Cで-propiolactone(PL)を放射線固相重合させたとき、重合収率は50kGyまで照射線量とともに増加した(50kGyで22%)。しかし、50kGyから200kGyの照射線量範囲での重合収率の増加分はわずか30%であった。
斉藤 健司*; 細井 文雄; 幕内 恵三; 小石 真純*
高分子論文集, 43(1), p.51 - 58, 1986/00
被引用回数:2 パーセンタイル:20.28(Polymer Science)酸化鉄ゾルで処理した多孔性微粒子に線を照射した後、アスピリンとメタクリル酸メチル混合溶液及びメタクリル酸メチルを接触させ、後グラフト重合による徐放性微粒子の調製を試みた。溶出試験は水-メタノール混合溶液を使用した。グラフト粒子からのアスピリン溶出量は、多孔性微粒子にアスピリンのみを吸着したときと比較して著しく増加した。粒子表面及び内部に酸化鉄を固定するとグラフト微粒子のアスピリン吸着量が増加した。グラフト粒子からのアスピリンの溶出は粒子内で重合したポリマーマトリックスからの溶出と粒子芯部に分散し微粒子のゲル障壁を通して溶出する2つの機構が混在した。酸化鉄含有微粒子における溶出速度はグラフト率の影響をあまり受けなかった。
貴家 恒男; 萩原 幸
高分子論文集, 42(4), p.283 - 290, 1985/04
被引用回数:2 パーセンタイル:22.32(Polymer Science)化学構造の異なる6種類の芳香族系ポリイミドの電子線照射効果を主として引張り試験に基づいて検討した。線量の増大と共に顕著な伸びの低下が認められた。この伸びの減少から劣化の度合いを評価した。化学構造の違いによって明らかに耐放射線性に差が認められた。芳香族イミド環の他に-C(CH)-,-O-,-CH-CH-を含むポリイミドの相互比較を行った結果、酸化作用の少ない電子線照射の場合の構成ユニットの耐放射線性の序列として-CH-CH- -O- -C(CH)-を得た。さらに-O-を含むポリイミドに線(1.39Gy/sec)を酸素圧0.7MPaの酸化条件で照射したところ、電子線(510Gy/sec)の場合と比較して劣化が著るしいことが明らかとなった。IRの検討から、真空中照射に擬せられる電子線照射の場合と酸化条件下での線照射の場合では反応機構が異なることを明らかにした。
浅野 雅春; 吉田 勝; 嘉悦 勲; 大屋 正尚*; 今井 強一*; 真下 透*; 湯浅 久子*; 山中 英寿*
高分子論文集, 42(10), p.783 - 791, 1985/00
被引用回数:2 パーセンタイル:22.32(Polymer Science)DL-alanine/-ethyl-L-aspartate[AlaAsp(OEt)]とDL-alanine/-ethyl-L-glutamate[AlaGlu(OEt)]のランダムコポリマーをNCA法で調製ののち、150kg/cmの圧力下で加熱溶融処理することにより高密度・高剛性の性質をもつ1.6mm径の円柱状成形物とした。これらのコポリマーの100% in vivo分解率は[AlaAsp(OEt)]系で50mol-%Alaそして[AlaGlu(OEt)]系で75mol-%Ala組成以上のところで、各々得られた。また、50mol-%Ala組成からなる[AlaAsp(OEt)]に温度を変えて線照射(310rad)したところ、-196C,-78C,0C,30Cそして60Cでのin vivo分解率(3W埋入時)はそれぞれ、33.6%,29.5%,18.9%,52.5%そして22.4%であった。この結果から、[AlaAsp(OEt)]のin vivo分解率は30Cの照射温度付近に極大値があることが分った。この照射温度によるin vivo分解率の違いを粘度,電顕観察,アミノ酸分析によって検討した。
細井 文雄; 斉藤 健司*; 幕内 恵三; 小石 真純*
高分子論文集, 42(6), p.415 - 422, 1985/00
被引用回数:2 パーセンタイル:22.32(Polymer Science)セルロースを素材とした機械的性質に優れた多孔性微粒子に線を照射したのち、アスピリンを含浸させ、さらにアクリル系モノマーを後グラフト重合させ除放性微粒子の作製を試みた。グラフト重合した試料からのアスピリンの溶出挙動を調べたところ、アスピリンは時間とともに溶出しおよそ140時間で一定値に達した。溶出挙動の結果から、アスピリンはほとんど多孔性微粒子内に吸着していること,溶出速度はグラフト重合したポリマーマトリックス中の拡散律速となっていることがわかった。多孔性微粒子内に吸着したアスピリン量は、グラフト重合により元の多孔性微粒子にアスピリンのみを吸着させたときのそれの2倍量まで増大した。また、多孔性微粒子の表面をあらかじめ二酸化チタン微粒子で処理すると、重合後のアスピリン吸着量は45~100倍増大した。
吉田 勝; 浅野 雅春; 嘉悦 勲; 山中 英寿*; 中井 克幸*; 志田 圭三*
高分子論文集, 41(3), p.145 - 150, 1984/00
被引用回数:1 パーセンタイル:14.35(Polymer Science)ポリエチレングリコール(Mn=1900-2100)を含む徐放性テストステロン複合体を去勢したウイスター系ラットの背中皮下に最高で90日間にわたって埋入した。埋入から7,30,90日目に複合体から放出されたテストステロンのin vivo累積量は各々498,2120,6913gであった。これはポリエチレングリコールを含まない複合体系のin vivo累積放出量より約3.2倍増加した。一方、ポリエチレングリコールを含む複合体系のin vivoとin vivoにおける累積放出量を比較した場合、in vivoより約2倍高い値を示した。このことから、ポリエチレングリコールが生体組織内における薬物の透過・拡散(輸送)を促進する物質として働いていると結論した。これは血清テストステロン濃度および前立腺腹葉の重量変化を尺度とした薬理作用の結果からも示唆される。
荒川 和夫; 瀬口 忠男
高分子論文集, 41(12), p.733 - 738, 1984/00
被引用回数:5 パーセンタイル:38.4(Polymer Science)ポリエチレンおよびエチレン-プロピレン共重合体を放射線酸化したときの酸素の消費量と酸化生成物をガスクロマトグラフで定量した。厚さの異なるフィルム状試料にCo-線を酸素雰囲気中で2kGy/hから20kGy/hの線量率で200kGy照射した。照射条件によって酸化はフィルム内で不均一になり、酸素の消費量のG値はフィルムが厚くなるほど、また線量率が高くなるほど減少する。酸素の消費量の実測値は拡散モデルを用いた計算値と一致し、フィルムの酸化層の厚さは線量率の-1/3乗に比例することが明らかとなった。
細井 文雄; 佐々木 隆; 萩原 幸
高分子論文集, 40(10), p.673 - 682, 1983/00
被引用回数:1 パーセンタイル:14.41(Polymer Science)エポキシ樹脂にメタクリル酸(MAc)、メタクリル酸ジエチルアミノエチル、メタクリル酸アンモニウム塩(TMAMA)、メタクリル酸ジメチルアミノエステル四級化物(QDM)などの親水性モノマーを含むビニルモノマーの電子線同時グラフト重合を行ない、得られた樹脂の水分散化について検討した。改質樹脂は少量の溶剤に溶解したのち水に分解させたところいずれもラテックスとなった。ラテックスの粒子径は親水性モノマーの量が増大すると小さくなり、これにともなって安定性も増大した。また、エポキシ樹脂との相溶性に乏しいモノマーをグラフトするほど粒子径が小さくなった。特に、高温ではエポキシ樹脂と反応してしまうTMAMA&QDMも安定にグラフトでき、これによって粒子径が小さく、安定性にすぐれたラテックスが得られた。MACおよびHEMAをグラフトしたアルキッド樹脂においても水分散性のあることが確認された。